「技術空洞」 読んだ

4334933793 技術空洞 Lost Technical Capabilities (光文社ペーパーバックス) [単行本(ソフトカバー)]
なかなか面白く読めました。あまり評判のよくない、「4重表記」 も、まぁついでに英単語が覚えられると思えば。結局覚えられやしませんでしたが。ええ。
この手の「元社員が語る、会社の内部事情暴露本」 ってのは、著者自身になにか問題があったんじゃないの? という風に見られがちですし、実際そういうバイアスがかかっている可能性に注意して読む必要があるとは思います。
ただ、この方が必死にVAIO のクオリティをあげるために色々やっていたのは事実で、それはこのへんのインタビュー記事からも分かります。

先日発表されたBD の再生機能を持ったVAIO が、SACD で利用されているDSD というコーデックをエンコード/デコードするためのチップを搭載したモデルっぽいですね。

「技術空洞」 の中では、チップは既に完成していたが、(ほんのわずかの) コストアップを嫌って実際に登載されることはなかったとのこと。きっとまだ残っている中の人たちががんばった結果、ようやく日の目を見たのでしょう。
発表会では、「安売り路線だけでなく、高級機もきちんと出していく」 と語っていますが、これまでがこれまでだけに...。

以下は「俺とVAIO とソニー」 みたいな話。お時間のある方はどうぞ。


ウチの場合、家族のヒトが確か1998年に「PCG-505V」 を買ったのでした。標準のFDD は割とすぐに死んでしまったものの、純正のUSB FDD を買って、Windows 98 だったのでドライバはなかったのだけどOEM 元の(確かY-E DATA だったかな) サイトからドライバを落としてきて無理やり使ってみたり、外付けCD-ROM ドライブを買ってみたり、割と最近になってポートリプリケータ買ってみたり、メモリを標準の64MB から128MB にしたりしてみたけど、買ってからこれまで、1回も甚大なトラブルに見舞われなかったタフガイです。
小笠原諸島の父島に持っていって島内に2箇所しかなかったISDN 公衆電話で1000km 離れた東京のAP(なぜか市内扱い) に28.8Kbps でダイアルアップしたのも懐かしい思い出です。ノイズがひどいらしく、56Kbps では繋がらないのでサポートに電話して、強制的に28.8Kbps に落とすモデムコマンド(製造時期によって3種類あった) を教えてもらったけど上手く動かなかったのもよい思い出です。結局28.8Kbps のAP にダイアルアップして解決したという。そういやplaystation.com でPS2 の予約したのも小笠原からだったなぁ...(遠い目)。
今は一線を退いていて、Windows 2000 でも入れて遊ぼうかと思いつつ放置中。スペック的にはもうどうしようもないですが、サイズ、薄さ、デザインなど、今でもまだまだステキです。テキスト書き程度なら困らないはずなので、死んだバッテリも新しいのを買って、できればHDD も換装して、末永く使ってやりたい。
その後、自分で2000年の末頃に買ったのが「PCG-SR9C/K」。たぶんもうこの時点で既にユーザのニーズから離れ始めていたと思う。2000年のモデルなのにLAN ポートはないし、仕方ないのでLAN カードを挿そうと思ってもPC カードスロットは右側だし、普通マウスを挿す筈のUSB ポートは左側。何考えてるんだ?? と思いつつ結構酷使してたらほどなくしてPC カードスロット死亡。修理に出したら「フレームがゆがんでたので取り替えます」 とか言われて無償修理期間中だったのに2万くらいかかりましたよ。ええ。
このときの経験から、もうVAIO ってのはステータスだけで実用には耐えないなぁ、と。たぶんもう次はVAIO は買わない。最終的には、起動時にBIOS レベルでハードウェアエラーが出て毎回F1 キー押さないと起動しなくなり、やふおく行き。あぁ、HDD をこっそり換装とかしやすかったのは良い点だったかも。
もし今もうソニーから技術が失われてしまったとしたら、PS3 とか「α」 が今後どうなるのかすごく心配。いろんな意味で。